矯正歯科

矯正治療について

矯正治療とは

歯には力を加えられると動くという性質があります。
矯正治療とは、その性質を利用して矯正装置で歯にある一定の力を加え、人工的に正い位置まで動かして悪い歯並びや噛み合わせを治す治療法です。

歯を移動させるために必要なもの

矯正装置の装着

歯を動かす力を加える装置を歯に取り付けます。

時間

緩やかな力を加えることで骨の代謝を促すため、矯正には時間がかかります。
代謝により、歯は1ヶ月で0.3ミリ移動することができます。

スペース

歯が移動できるスペースを作る必要があります。
スペースを作る方法としては「抜歯」がありますが、症状により歯を抜かずにスペースを設けることも可能です。

矯正装置

矯正装置とはどのようなものか。仕組みや特徴を説明いたします。

一般的な矯正装置

固定式 唇側矯正装置(マルチブラケット)

特徴 ブラケット(ワイヤーを連結するための留金)という矯正装置を歯の表側に装着し、歯を正しい位置に移動さえるためのワイヤー(弾力線)を用います。
メリット 装置が壊れにくい
装置とワイヤーの滑りがよく、歯の動きが若干早い
デメリット ブラケット(ワイヤーを連結するための留金)という矯正装置を歯の表側に装着し、歯を正しい位置に移動さえるためのワイヤー(弾力線)を用います。

装置の種類

患者様から多い要望

  • 目立たない装置
  • 歯を抜かないですむ装置
  • 取り外しができる装置
  • 短期間で治療できる装置
  • 痛みが少ない装置

現在では、このような患者様のご要望に応えるために、改良された装置がございます。
装置についてはお気軽にお問い合わせ下さい。

種類 唇側矯正装置 裏側(舌側)矯正装置 床矯正装置 マウスピース矯正装置
特徴 セラミックブラケットなど
ブラケットに金属ではない目立ちにくい素材(セラミックなど)を使用したり、白っぽいワイヤーなどを使用した装置
リンガルブラケット
歯の裏側に装着する装置
リンガルブラケット
口の裏側、床下粘膜部につけるプラスチックと、表側の歯を押さえる金属線で作られた入れ歯のような形の装置
ワイヤーやブラケットを使わない、マウスピース状の透明なプレート装置
メリット
  • 目立ちにくい
  • 裏側よりも状態がよく仕上がることがある
  • 裏側装置よりも低価格
  • 外から見えない
  • 目立ちにくい
  • 取り外しができる
  • 通常の装置より低価格
  • 抜歯の必要性が少ない
    (顎自体を拡大する)
  • 目立ちにくい
  • 取り外しができる
  • 矯正装置による不快感が少ない
デメリット
  • 金属に比べて多少強度が弱い
  • 地位状の唇側矯正装置より若干価格が上がる
  • しゃべりにくい
  • 舌に当たりやすい
  • 唇側矯正装置より高価格(1.5倍)
  • 症状に制限がある
  • 装着時間が短いと、なかなか効果がみられない
  • 症状に制限がある
  • 装着時間が短いと、なかなか効果がみられない

矯正が必要な歯並び・噛み合わせと原因・弊害について

不正咬合の種類

歯並びや噛み合わせが悪い理由として大きく分けると2つの不調和があげられます。

顎(噛み合わせの不調和)
前後のずれ
上下のずれ
左右のずれ
顎(噛み合わせの不調和)
顎の大きさに対して歯が合わない(大きい・小さい)
顎の大きさに対して歯の数が合わない(多い・少ない)

症状

顎(噛み合わせ)の不調和 前後のずれ
症状名 特徴 問題点
上顎前突
(じょうがくぜんとつ)
上顎が下顎よりも前にでている(出っ歯)状態 前歯が折れたり、唇を切ったりしやすい。
口唇を閉じることができない。
下顎前突
(かがくぜんとつ)
下顎が上顎より前に出ている(受け口)状態 食べ物がよく噛めない。
聞き取りにくい話し方になる。
顎(噛み合わせ)の不調和 上下のずれ
症状名 特徴 問題点
開咬
(かいこう)
前歯が開いてしまい、歯が上下で噛み合ない状態 前歯で食べ物を噛み切れない。
正しく発音できない。
過蓋咬合
(かがいこうごう)
前歯が深く噛み込み」、舌の前歯がほとんど見えなくなる状態 噛む際に歯と歯の接触により、歯のすり減りが激しい。
症状が悪化すると顎関節症になる場合もある。
顎(噛み合わせ)の不調和 左右のずれ
症状名 特徴 問題点
交叉咬合
(こうさこうごう)
上顎の奥歯が下顎の奥歯に対して内側に入っている状態
(両側性と片側性がある)
片側性の場合、上下顎前歯の正中が左右にずれる。
ひどくなると正面から見た場合に顎が左右片側に曲がって見え、顎関節にもずれが生じる。
歯を食いしばったりができなくなる。
歯と顎の不調和 顎の大きさに対して歯の大きさや数が調和してない
症状名 特徴 問題点
叢生
(そうせい)
乱ぐい歯・八重歯など歯並びがでこぼこし、重なっている状態 歯ブラシが届きにくくきちんと歯が磨けないため、虫歯や歯周病になるリスクが高い
空隙歯列
(くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間ができている(すきっ歯)状態 発音(特にサ行)がしにくい。
食べ物などが挟まりやすい。

不正咬合の原因

遺伝 歯の大きさや数は遺伝によって決まっています。永久歯が足りない・多い人は、早期の治療が必要になる場合もあります。
舌の突き出し・指しゃぶり・爪噛みの癖を続けていると、前歯が噛み合なくなることがあります。
食べ方 やわらかいものばかりを食べていると、顎が十分に発達せず、その結果歯の大きさのバランスが悪くなり、凹凸ができやすくなります。
乳歯の虫歯 虫歯や他の原意によって乳歯を失うと、永久歯が正しい位置に生えず、凹凸ができやすくなります。
病気 幼児期に大きな病気をしたりすると、歯の一部に形成不全が起こることもあります。
口呼吸 正常な呼吸の方法は鼻呼吸ですが、口呼吸を続けていると、顔面の発育・成長に悪影響を及ぼします。

不正咬合の弊害

むし歯・歯周病 歯並びが悪いと歯が磨きにくく、磨き残しができるためむし歯や歯周病になりやすい傾向にあります。
ルックス 歯並びが悪いと見た目もよくありません。人と話をする時など、口元が気になってうまく話せなかったり、思い切り笑うことができず、精神的によくありません。
発音 歯と歯の隙間が大きい、あるいは歯が内側に倒れている場合など、正しい舌の動きがでないため発音がおかしくなることがあります。
舌の動きが悪い舌強直症の場合にも発音が悪くなります。
顎の痛み 顎が前後左右に動くとき、例えばひどい出っ歯などで上下の前歯が当たらない人や開咬の人には顎の痛みや顎関節の雑音が生じやすい傾向があります。
全身 噛み合わせは肩こりや腰痛、姿勢などとも深く関わっていることが最近ではわかってきています。

治療の開始時期による違い(小児・成人)

歯並びや噛み合わせの不具合に気づいた時点でまずはご相談下さい。
よく「歯科矯正は子供の頃やらないと効果がない」と思われがちですが、矯正治療に年齢制限はありません。

ただし、歯の状態や顎の成長時期などで治療が異なり、メリット・デメリットも違いますので、十分に検討した上でいつ頃治療を行うのが最善かを判断いたします。

小児矯正

大きな利点

  1. 顎の成長に合わせて骨格の改善ができ、正しい歯並びや噛み合わせへ誘導できる
  2. 歯の生え替わる時期に合わせて、永久歯を正しい歯並びに誘導できる

後戻りが少なく、抜歯の必要性が減る

その他のメリット デメリット
  • 大人になってからの矯正治療に比べ低予算
  • 歯並びが悪く生えている歯を減少させる
  • 顎の曲がりの程度を減らす
  • 手術の必要性がある
  • 装置をつける期間が短くて済む
  • 歯や顎への負担を減らすことができる
  • 治療期間が長い
    (顎の骨の成長が終わる15歳前後まで経過観察が必要。)
  • 一時期は並びが悪くなることもある
    (顎の成長に合わせて歯並びを治していくため。)
  • 再度矯正する必要がある
    (骨格的な問題が大きい場合、外科矯正が必要な場合もある。)
  • 治療の結果に差が出る
    (患者さん本人が治療に協力的でない場合には良い治療結果が出にくくなる。)
  • 虫歯になりやすい
    (子供のうちは上手に歯磨きができないため虫歯になりやすくなる。)
  • 歯根吸収がおこる
    (歯根吸収という歯の根っこが溶けてしまう症状。原因は不明だが起こってしまった場合には矯正治療の中止や、歯の連結・固定が必要になりる。)

成人矯正

大きな利点

目的意識をはっきり持っているため計画性のある効果的な治療を進められる

その他のメリット デメリット
  • 顎の成長が止まっているので、歯の移動計画が立てやすい
  • 歯や矯正装置の手入れがきちんとできるため計画通りに治療が進められる
  • 治療効果を十分に実感でき、積極的に治療を行える
  • 歯の移動に時間がかかる
    (矯正力に対する組織の反応が遅いため。)
  • 抜歯の必要性が高い
    (顎骨の成長は止まり、骨格面での改善は難しいため。)
  • 外科的矯正治療の必要な場合もある
    (顎の骨の位置改善が必要な症状の場合)
  • 賞に矯正に比べ費用が高い
    (抜歯・外科手術などが生じるため)

治療の流れ

  1. 初診相談(30〜60分)

    始めに予約を入れて初診相談にお越しいただきます。

    • 歯並びの気になる所、顎が痛いなぢの悩み
    • 目立たない装置や非抜歯資料など治療に関するご希望
    • 転勤や受験・結婚・妊娠など今後数年の大まかな予定など
  2. 精密調査(60分)

    • 口腔内写真・顔写真などの写真撮影
    • 歯と顔面骨格のX線写真撮影
    • 口腔内模型の作製

    その他必要に応じた検査を行います。

  3. 治療計画の説明(30〜60分)

    検査結果を元に、治療方針・治療期間などの治療計画の詳細や治療費などについて説明いたします。

  4. 歯磨き指導・口腔内清掃(60分)

    虫歯や歯肉の状態をチェックし、フロスや歯間ブラシを用いて正しい歯磨きの仕方を習得して頂きます。

    虫歯の治療・抜歯

    必要があれば、虫歯治療・抜歯を行い、矯正治療ができる環境を整えます。

  5. 装置装着動的治療開始

    ブラケットやワイヤーなど装置を装着し、歯を動かす治療を開始します。
    通常は3〜6週間に1回のペースで、定期観察の場合は2〜6ヶ月に1回通院して頂きます。

  6. 保定

    動かした歯を支える骨や歯周組織が安定するまで、保定装置(リテーナー)を装着します。
    通院は2〜6ヶ月に1回となります。
    この治療をきちんとしないと、せっかく規定になった歯並びが後戻りしてしまうことがります。

  7. 治療完了

    矯正治療で安定した噛み合わせを維持するため定期検診をおすすめします。

矯正治療中の注意点

食事

食べてはいけないものはありませんが、矯正装置を装着中は、歯や矯正装置に負担をかけないよう心がけましょう。

種類 食べ物 備考
堅い食べ物 ピーナッツ、せんべい、氷など 思いきり噛んだ衝撃で矯正装置が外れたり、破損する場合があります。
色素の強い食べ物 カレー、スパゲティ、キムチなど 矯正装置のゴムが変色し、矯正装置が目立って見える
ネバネバした食べ物 お餅、ガム、キャラメル、アメなど 装置にくっついてしまい、装置が外れたりする原因になります。
歯に詰まる食べ物 ポテトチップ、ビスケットなど 歯に詰まりやすい食べ物は虫歯や歯周病の原因となります。

ブラッシング

歯列矯正中はワイヤーやブランケットを装着しているため、歯ブラシが直接歯に当たらない箇所ができ、磨き残しがあって虫歯になるケースが多く見られます。下記のような方法で口内を清潔に保つように努めましょう。

歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスで細菌や汚れを除去する物理的清掃法

矯正器具のまわりを清掃するためには通常市販されている歯ブラシではなく、凹凸のついた矯正専用の歯ブラシを使うことが効果的です。

デンタルリンスや歯磨き剤で細菌を殺菌したり細菌の活動を弱めたりする科学的清掃法

歯列矯正中でない時も療法を使ってお口の清潔を保ちましょう。