インプラント治療

こんな方におすすめ

  • もう一度自分で噛める健康な歯に戻りたい方
  • 使用している入れ歯が合わない、外れる、痛いなどでお困りの方
  • 入れ歯に抵抗がある方
  • 虫歯や歯周病で歯を抜く事になってしまった方
  • 事故やアクシデントで歯が折れてしまった方

インプラントの手術は3段階(2段階もあります)に分けて行われます

  1. インプラント(人口歯根)を歯槽骨に埋め込みます。
  2. インプラントが骨と結合した所※1、上部に人口歯を付ける為の土台(アバットメント)を取り付けます。
  3. その上に人口歯を取り付けます。

※1
インプラントは、骨との親和性が高いチタンでできています。
チタンと骨はお互いが接触した際に発生する分子の働きにより「結合」するという性質があるため、ただ単に骨に埋め込まれているだけでなく、骨と直接結合して、まるで生きている骨として取り込まれたように安定した状態になるのです。そのため、自分の歯と同じ様な感覚で食事をしたりお話したりできるのです。

インプラントのイメージ

インプラントを植えてしばらくすると、インプラントと骨が結合します。この結合は、植物の種が大地に根を張る状態に似ています。

インプラントと人口歯をつなぐアバットメントは、根がしっかり付いた直物の茎のようなイメージ

しっかりと根を張っているので、雨風に負けない立派な花を咲かす事できます。

誰でもインプラント治療を受けられるの?(治療前の注意 適合と対策)

インプラント治療をする上で、手術が効果的に行える状態かどうか、口腔内と全身の健康状態を把握するための正確な審査・診断を行います。

その結果、まれにインプラント治療に不適合な場合がございます。また、他の治療や処置を行うことによりインプラント治療が可能な場合は、そちらの治療を終えてからインプラント治療を開始します。

不適合要素 症状 対策
全身疾患 麻酔の使用や出血、細菌感染への免疫低下など、手術時、手術後のリスクに耐えられない場合
  • 免疫疾患(シューグレン症候群、血小板減少等)
  • 血液疾患
  • 内分泌疾患(糖尿病)
  • 循環器疾患(高血圧症)
  • 肝臓・腎臓疾患
  • 骨疾患(骨粗しょう症)
  • アレルギー疾患
  • 悪性腫瘍
  • 年齢(成長期、高齢)
投薬によるコントロールが可能であれば治療が可能になりますが、必ず主治医に申し出て、インプラント治療が可能か、血用に向けての対策などを話し合う必要があります。
口内環境 インプラント埋め込み時や埋め込み後の効果に支障をきたす場合
  • 虫歯
  • 歯周病
  • 顎や歯槽骨の不足
  • 噛み合わせ
  • 習慣(喫煙)
インプラント治療を行う際、インプラントを埋め込みmしっかり結合できる健康な歯槽骨であることが条件になります。
問題がある場合は、術前に治療が必要です。

インプラント治療の妨げとなる主な症状

歯周病 インプラント治療を考えている方は、まずどうして歯が抜けてしまったのかを考えてみて下さい。
ほとんどの場合、原因は歯槽骨に永興を及ぼす歯周病です。
歯周病を治さなければ、インプラント治療をしている間に、別の歯が抜けてしまったり、術後のインプラントと骨の結合に支障をきたす可能性が高いため、治療が失敗に終わってしまうこともあるのです。必ず歯周病治療を終えてから手術を行います。
喫煙 喫煙することで歯茎の毛細血管が収縮し、結構が悪くなるので、創傷治療が遅れたり、インプラントと骨の結合が阻害されます。
インプラントを入れると決めたときから、手術後の1〜2ヶ月の間は禁煙をし、インプラントを長持ちさせましょう。
糖尿病
  • 抵抗力や免疫力低下により歯周病を引き起こしやすくなる
  • インプランが骨と結合する過程で起こる「骨吸収」の吸収量が多くなり過ぎ、インプラント脱落に繋がる

しかし、血糖値のコントロールがうまくできていれば、インプラント治療も十分可能になります。

骨量の不足 歯周病が進行していたり、長い間歯を抜けたままにしておくと、歯槽骨や顎の骨がやせて、骨の量(幅・高さ)が不足し、インプラントを埋め込むことができません。しかし、骨を補う様々な処置(骨移植・骨造成)を行うことにより、インプラント治療を行うことが可能になります。

ボーンクラフト(骨移植)

本人の歯槽骨やあごの骨から調達した骨を移植する方法。ケースにより、歯槽骨やあごの骨以外からも調達する場合はあるので、担当の先生の説明を十分に聞いて下さい。また、補修鎮済(人工骨)など使用する場合もあります。

GBR法(骨誘導再生療法)

骨が足りない部分を患者様ご自身の骨や人工骨を混ぜた補填済でカバーし、その上からコラーゲン入りの人工膜(メンブレン)で覆うことで骨の再生を誘導する方法。

多くのケースにおいて補助的に使用するテクニックでインプラントの埋入と同時に行い、骨ができるまで約4ヶ月かかります。

スプリットクレフト(リッジエクスパンジョン)

骨の厚みが足りない時の手術方法。歯槽頂(歯を支える骨の上部)から骨を半分に割っていき、割ったところにインプラントうぃ埋込し、その骨でインプラントを挟み込みます。
3〜4ヶ月で骨が再生され、インプラントとも結合します。

サイナスリフト(上顎洞底挙上術)

骨の高さが足りない時の手術方法。奥歯の上あたりにある上顎洞という空洞が、歯を失ったことにより下に拡大し、骨が足りない場合があります。その場合、インプラント埋込時に上顎洞底面の粘膜(シュナイダー膜)を持ち上げ、その部分に骨補填劑(人工骨)を挿入し、骨ができるのを待ちます。さらに足りない場合は、そのインプラントを埋め込む穴の奥に、将来骨になる物質を入れ、少しずつシュナイダー膜を押し上げていき、それが完全に骨になるのを待ってからインプラントを埋込する方法(ソケットリフト)で行います。

インプラントの治療には、外科手術が伴います。手術はいくつかの方法がありますが、ここでは一般的な二回法(手術を2回行う)を元に、治療の流れをご説明します。

  1. カウンセリング

    インプラントの治療には、外科手術が伴います。手術はいくつかの方法がありますが、ここでは一般的な二回法(手術を2回行う)を元に、治療の流れをご説明します。

  2. 診査

    診察・レントゲン撮影・全身の既往歴・骨の量などのチェックを行い、インプラント治療を効果的に行える状態かを調べます。

  3. 診断・治療計画

    診査に基づき治療計画を立てます。症状や要望により、手術方法や使用するインプラントの種類・治療期間・治療費などが異なりますので、ここで詳しくご説明させていただきます。また治療前後にするべきことも含め、十分に検討して下さい。

  4. 手術前治療

    必要であれば、インプラントを埋め込むことのできる口内環境に整えます。
    虫歯や歯周病の治療や、不良な冠の除去、噛み合わせの治療などが必要です。また、歯槽骨が不足している場合は、骨造成などの治療を行います。

  5. 一次手術(インプラントの埋め込み)

    清潔なクリーンルームにてインプラントを埋め込みます。インプラントを埋める部分の歯肉を開いて、顎の骨にインプラントを埋め込み、開いた歯肉を閉じて縫い合わせます。手術には体調や口内環境を整えて挑みましょう。また、投薬をされている方は主治医の指示に従って下さい。

    手術に対する不安もあると思います。心配なことは医師に確認し、安心して手術を受けられるようにしましょう。
    安全にインプラント埋込手術が行えるように、麻酔医が全身状態を管理し、安全で痛みの無い手術を行うことが可能です。

    治療期間(約3〜6ヶ月間)

    手術語、埋め込んだインプラントが骨と結合するまで安静期間をおきます。症状や治療内容により異なりますが、約3〜6ヶ月ほど待ちます。また、この間必要に応じて仮の歯を入れますので日常生活に支障はありません。

  6. 第二次手術(インプラント上部構造のセット)

    インプラント体を歯肉の下に埋め込んだ状態で骨との結合期間を経てから、アバットメントを取り付け、人工の歯が接続できるようにします。
    インプラントの冠は全体的なバランスをみるため、場合によっては仮のはをセットします。噛み合わせの状態をチェックし、お口の中でバランス(調和)が整った時点で型をとり、色や形を患者さんに合わせて人口歯を作製します。

  7. 人口歯の取り付け

    噛み合わせの調整などが済んだら、人口歯を取り付けます。万が一、ここで違和感などを感じたらすぐに医師に伝えましょう。

  8. メンテナンス

    上部構造を装着して治療は完了ではありません。
    実はこれからが長く、大変な道のりなのです。天然の歯が歯周病にかかるように、清掃状態が悪ければ、インプラントも周囲炎といって、死守病のような状態に陥ります。これを防ぐために、基本的に1〜3ヶ月に1度退院していただき、状態のチェック・清掃を行っています。

方法 一回法 フラップレス(無切開・無剥離)術式
説明 二回法と同様に歯肉を切開してインプラントを埋めますが、インプラントはアバットメントと一体化したもの等を使用し、アバットメントはその一部を歯肉の上に露出させた状態にします。 術前に精密検査(CT撮影)などにより、インプラントを埋め込む最適な位置を確認することで歯肉を切る分量を最小限に抑えることができます。
メリット
  • 手術は1回なので患者様への負担が軽い
  • 治療時間を短縮することが可能
  • 治療時間・治療回数の短縮
  • 出血量の軽減
  • 出血量が少ないことで、術後の腫れや痛みも少ない
条件
  • インプラントを埋め込む顎の骨がしっかりある必要がある
  • 骨移植や骨造成を併用する場合、2回法より感染のリスクが高い
  • インプラントを埋め込む周囲に、十分な量の歯肉があることや、重い全身疾患が無いなどの条件が必要

きちんと骨と結合したインプラントは、半永久的に口腔内で固定を得ることができますが、いくらインプラントと骨が結合していても、土台となる骨の部分にトラブルが起きれば、骨はインプラントを支えることができなくなってしまします。
そのため、治療中や治療後はインプラントの土台となる骨の部分を健康に保つ必要があり、ご自宅でのセルフケアと定期的なメンテナンスが必須となります。

セルフケア

刺繍組織を破壊するインプラントの天敵「歯周病」を予防する

インプラントの場合も、歯周病と同じ様な「インプラント歯周炎」になりやすく、予防には毎日の歯磨き(プラークコントロール)が重要です。また、インプラントは天然歯と異なり歯根膜がないため血液循環も悪く、感染しやすいので医師の指導に従い正しいブラッシング方法を身につけ、お口の中を清潔に保ちましょう。

なお、歯ブラシと一緒に歯間ブラシやデンタルフロス・洗口剤などを併用するとより効果的ですが、治療期間や人工歯装着後などにより、治療時期によりことなりますので、医師の指導のもと適切な方法で行いましょう。

プロフェッショナルケア

インプラントとし歯周組織の不具合を早期発見・早期治療する

インプラントからの感染は、神経が無いため自覚症状がでません。インプラントの不具合や歯周組織が炎症を起こしたりしないと気付かず、手遅れになる場合が多いので、定期的なチェックは必須です。術後は指示された期間ごとに

  • インプラントの状態
  • 歯周組織の状態
  • 噛み合わせ

などをチェックし、同時にインプラントやお口全体の専門的なクリーニング(PMTC)を行い、歯周病予防に努めましょう